本・映画・音楽

2013年2月22日 (金)

一人のジャーナリストの取材が映画になった

映画館の水曜レディースデーを利用して「ストロベリーナイト」を観に行った。

元々は、誉田哲也の原作(文庫化されてからですが)を読んでいて
テレビドラマも、原作の味を損ねない仕上がりだし、役者揃いなので、観ていた。

それが映画化されたということで観ることにした次第。

しかし、記事にしたいのは、その映画ではありません。

上映時間まで間があったので、今後の上映予定の映画はどういうものがあるのかと
パンフレットの並ぶ棚をつらつら見ていたら、あるパンフレットが目にとまりました。

それに書かれている「彼らには、悲しむ時間もなかった」という言葉と
棺が並ぶ写真を見て、一瞬で何の映画かわかった。目の奥がギュッとなる。

映画になったんだ、あの本が・・・
以前、このブログでも紹介した「遺体―震災、津波の果てに」(石井  光太 著)

Eigapamphlet

あの民生委員さんを西田敏行さんが演じるのだなあ。

パンフレットに彼のインタビューの抜粋が書かれています。
映画化のオファーに『正直なところ、劇化することが正しいのか悩んだ』とありました。

然もありなんと思います。

試写会を観た人の中には、最初は席を立とうと思ったと感想を寄せた人もいます。

然もありなんと思います。

その映画は 「 遺体~明日への10日間 」(脚本・監督 君塚良一)

明日、2月23日から全国公開されます。( http://www.reunion-movie.jp/ )

涙流しながら読んだ本でしたから、この映画も全編、辛くて辛くて涙するでしょうが
観に行きたいと思います。

 

続きを読む "一人のジャーナリストの取材が映画になった"

| | コメント (8)

2012年5月24日 (木)

立ち止まれなかった人達がいた

震災後、釜石市の旧二中(廃校になっていた中学校)の体育館が
死体安置所となり、その数か月を追ったルポルタージュです。

Itai

「 遺体 震災、津波の果てに 」 石井 光太 著 ( 新潮社 )

 

民生委員、市役所の職員、消防団員、僧侶、医師、葬儀社の社員・・・

あの日、あの時まで
不明の方の捜索、亡くなった方の検死、安置、弔いに自分たちが係ることになると
誰が想像できたでしょう。

地震の直後は、何が起きているのか知る術がなかった人達。
そして、ほかの人より、少し公の職業に就いていたいたこともあり
突然、津波の被害にあった方々の遺体や、その遺族と向き合うことになる人々。

 

その真摯な姿に胸が打たれます。

今、この時、この方達の心が平穏でありますようにと祈ります。

 

取材した人の話には、混乱していたせいか、記憶があいまいな部分もあると
作者の石井さんは書いています。

それでも、実に丹念に記憶の断片を拾い上げ
彼らの、その壮絶な数か月を私たちに伝えてくれています。

胸に迫る一冊です。

| | コメント (4)

2012年5月23日 (水)

痛快活劇小説

書店の文庫の新刊コーナーに平積みしていた1冊の本。

帯カバーには、『痛快活劇小説』、『三匹がご町内の悪を斬る!』

『還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか』の文字。

Ossan

「三匹のおっさん」 有川 浩 著(文春文庫)

 

一線を退いた幼馴染3人組(内、一人は町工場を構え現役中ですが)。

ふとしたことをきっかけに、自警団もどきを結成。

それぞれの特技と性格を生かして、ご町内で起きる事件や相談事を

解決するというか、首を突っ込むというか。

しかも、それぞれの家庭の中に、何の悶着がないわけでもなく、

3人の活躍とともに、いつしか、家族の中のわだかまりも消えていく。

あら、この展開は、私が好きな、あのシリーズにも似て・・・

続きを読む "痛快活劇小説"

| | コメント (2)

2012年5月 4日 (金)

記憶にとどめる vol.2

3月19日昼、仙台空港ターミナルビルから滑走路を臨む。

Sendaiairport120319

この時、私たちも含めて滑走路を見ていた人たちは一様に押し黙り
昨年3月11日を、津波が車や飛行機を呑み込む様を思い出しているように感じた。

 

あの時、テレビで繰り返し流された映像は
空港に隣接している第二管区海上保安本部仙台航空基地からの映像でした。

『ここも危ないけど、逃げようがありません』 『空港、全部だめです』

無線を担当する係官の叫びにも似た報告。今も生々しく記憶に残っています。

 

続きを読む "記憶にとどめる vol.2"

|

2011年8月 3日 (水)

「猫島」再び ~ 架空の島だけどね ~

夏休みの旅行なら「猫島」がおすすめです

神奈川県の葉崎市、葉崎半島の先に浮かぶ島。それが猫島です。

この島は、猫好きなら一度は行ってみたい所です。

・・・という書き出しで
「猫島ハウスの騒動」という小説のことを記事にしたのは、2009年6月でした。
その続編が、今年初めに出版されていました。

今回は、葉崎警察署猫島臨時派出所の七瀬晃巡査と相棒のボリス猫DCが主役。
( 「猫島ハウスの騒動」にも登場しています。 )

Map

30人程の島民と100匹以上の猫がのんきに(時に騒々しく)暮らす猫島

その猫島において、ポリス猫DCは、かの和歌山電鉄のたま駅長的な存在。

猿の捕獲を手伝ったり、犯罪の証拠品を見つけたりの活躍で
七瀬巡査を助けながら、時には、観光客との記念写真にも応じます。

どうやら、YouTubeにも投稿されているらしい( あ、これも架空ですよ~(^_-)-☆ )

 

ポリス猫DCが、猫島にたどり着いたエピソードは、なんともホッコリです。

ともあれ、不発弾が見つかったり、温泉が出たりと、相変わらずの騒動満載で
やはり、猫島からは、目が離せません。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

Book_2   「ポリス猫DCの事件簿」

  若 竹 七 海  著

 

 □ 光文社

 □ ISBN 978-4-334-92742-4

 □ 初版 : 2011/1/25

さりげなく(?)本の横に置いているのは(笑)、昨年、京都で見つけた扇子(^^♪

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

前の記事にいただいたコメントでは、田代島(宮城県石巻市)が話題になりました。

 

3月の震災では、その田代島の周囲を津波が遅い、漁業・観光資源が
大きな打撃を受けてしまいました。

また、海岸近くにいた猫の中には津波で流されてしまった猫もいたようですが
大半は山側に逃げ、無事だったということです。

田代島では、漁業の復活に猫たちの保護事業も絡めたプロジェクトが
立ち上がりました。、

「田代島にゃんこ・ザ・プロジェクト」( http://nyanpro.com/index.html )

HPの中のBlog「田代島便り」では、猫たちの様子も見ることができます。

| | コメント (6)

2011年5月 8日 (日)

たどり着いた先で知った本(1)

情報を求めてネットを彷徨っているとき、ふとしたきっかけで、

田野畑村(岩手県)と、作家の吉村 昭 氏(故人)の縁を知った。

村にある吉村文庫の蔵書は、この度の大津波で流出したと聞きます。

 

三陸海岸 大津波」が彼の著作であることは、それまで知りませんでした。

1970年に発行された作品で、後に、改題し文庫化されました。

東日本大震災の後、売り上げの急増で、文春文庫が増刷したそうだ。

何年間かで発行された冊数を上回る冊数の増刷らしい。

この増刷分の印税を奥様の津村節子さんは義援金として寄付をした。

Books3

自ら歩き、大津波の体験者の証言を聞き、淡々と丁寧に記録している。

この作品の前書きにもあるように、氏は三陸海岸の美しさと、

そこで営まれる暮らしを敬愛していた。

彼の地を襲った大津波の記録に、心血を注がれたように見える。

その吉村昭さんは、2006年に亡くなっています。

もし、生きておられてたら、

今回の大震災を記録することを、やはり、選ばれただろうか。

(「たどり着いた先で知った本(2)」に続きます)

|

たどり着いた先で知った本(2)

吉村昭さんの本に触発され、続いて、東北を舞台にした小説など調べていたのですが、

その過程で、幾つかの東北の出版社を知ることになりました。

 

その一つが仙台市にある「荒蝦夷」です。そこが出版している地域誌「仙台学」。

Books1

( 左 「三陸海岸大津波」、右 「仙台学vol.11」 )

 

ある大学で開催された特別教養講座(平成18年)で、「仙台学」の編集長が、

地域を限定した雑誌ではあるものの、決して、お国自慢が目的ではなく、

地域に閉じるのではなく、自分の足元を確認する「場」でありたい』と語っている。

 

大震災で、その出版社も被災し、今は、他県に避難して、「仙台学vol.11」を刊行。

それが、「東日本大震災」です。伝えなければという凄味を感じます。

 

続きを読む "たどり着いた先で知った本(2)"

|

たどり着いた先で知った本(3)

話のさかな」は、朝日新聞(宮城県版・福島県版)に、2008年4月から

2010年2月まで掲載されたコラム。

それを1冊にまとめたのが、

話のさかな ~ コラムで読む三陸さかな歳時記~」(発行:荒蝦夷)です。

Books2

掲載当時の、朝日新聞の石巻支局長、気仙沼支局長、前・気仙沼支局長、

塩釜支局長の4名で編成された ” 三陸おさかな探検隊 ” の共著です。

 

これらの支局がある町は被害を受け、この本に出てくる海産物店、飲食店、

水産物の加工所、水族館なども、被災したところが多いと思われます。

 

軽妙洒脱に紹介された記事に、今は、悲しみさえ覚えてしまうけれど、

また、この本の中に溢れる元気や産業が戻って来て欲しいと思います。

そして、登場する方々が無事でありますように。

///////////////////////////////////////////////////////////////////

ところで、これも、今回初めて知ったことなのですが、

塩釜市の市役所にHPによると、本来は「塩竈市」という文字なのだそうです。

| | コメント (0)

2010年6月 3日 (木)

シートン(探偵)動物記

通りがかりの書店で、見逃していた本や知らなかった本に

出会うチャンスがあったりする。

 

シートン(探偵)動物記」も、そんな具合で見つけた本です。

Seton

 

 

「シートン(探偵)動物記」

          柳 広司 / 著

 2009年3月12日発売

 定価:600円(税込み)

 ISBN 978-4-334-74559-2

 光文社文庫

 判型:文庫判ソフト

 

 

 

博物学者の「アーネスト・トンプソン・シートン」が、新聞記者の「私」に

昔の事件(?)とその推理、結末を漂漂と語るという設定の短編集です。

 

動物や自然を観察する目で物事も捉え、事件の解決に至るという過程が

「お~、なるほど!」という具合で、とても楽しい本でした。

殺人事件や盗難事件を解決する名探偵シートン氏の言動もさることながら、

それにまつわる動物や鳥の話は、とても興味深いものがありました。

 

この本の作者、柳広司氏は、夏目漱石をはじめ、有名人が名探偵の推理小説を

発表しているようで、それらも読んでみたくなりました。

 

ところで、 pc の画面はウリ坊です (^^♪

 

続きを読む "シートン(探偵)動物記"

| | コメント (8)

2010年3月17日 (水)

動物の値段

文庫の新刊コーナーで、「 動物の値段 」というタイトルに惹かれ、思わず、

手にしました。

パラパラッと捲り、著者が動物輸入商ということを知り、棚に戻してしまいました。

密猟、違法売買、飼えなくなった野生動物を捨てるニュース・・・

というようなことが連想されて、一瞬、嫌悪感が生まれたからです。

 

それでも、やっぱり気になってしまい、結局、他の本と一緒に購入です。

 

  Doubutunonedan

  「動物の値段」 白輪 剛史 著

    book 文庫: 318ページ

    book 出版社: 角川書店(角川グループパブリッシング) 

    book ISBN-10: 4043943164

    book ISBN-13: 978-4043943166

    book 発売日: 2010/1/23

 

例えば、↑ のぬいぐるみの動物は大体どのくらいの値段で取引されているのか。

(白デカ親子は対象外 bleah

 

この本によると、ツキノワグマは30万円くらいが相場だそうだ。

ペンギンは、皇帝ペンギンは1200万円、イワトビペンギンなら2桁違って、85万円。

アザラシなどは載っていなかったが、同じく海で生きているラッコは250万円・・・

(2年前に「うみたまご」で撮った写真を引っ張り出してみました)

  Umitamago2008-1

という具合に、日頃、目にすることのない数字、取引や輸送にまつわる話を

なんとも複雑な思いをしながら(でも、文章は面白い)読みました。

 

続きを読む "動物の値段"

| | コメント (6)